2016年05月16日

レラティブストレングス投資はブラックスワンにも対応可能


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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

ナシーム・タレブ氏の「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」から、正に我が意を得たり、という一節に出会ったのでメモしておきます。


ナシーム・タレブの著作は「ブラック・スワン」の方がはるかに有名ですが、こちらの「まぐれ」もなかなかの良書です。

積極的な賭けをするのには統計学と帰納法を使うけど、リスクやエクスポージャーを管理するのには使わない。おどろいたことに、私が知っている中で、生き残っているトレーダーは全員そういうやり方をしているようだ。彼らはなんらかの観察結果(それには過去の歴史も含まれる)からつくったアイデアにもとづいて取引を行う。しかし、ポパー主義の科学者とおなじように、自分が間違っていた場合に払うことになる代償は、間違いなく限定されているようにする。(中略)間違っていたことがわかったら取引を手仕舞うのだ。そういうやり方をストップロスという。あらかじめ決めた、ここまで来たら脱出するという場所であり、黒い白鳥に対する予防だ。これを実践している人はほとんどいない。
「まぐれ」P167


「積極的な賭けをするのには統計学と帰納法を使う」や「彼らはなんらかの観察結果(それには過去の歴史も含まれる)からつくったアイデアにもとづいて取引を行う」が指すのは、過去のデータを使ったシミュレーションによって、レラティブ・ストレングス投資の有効性を確認し、実際の投資に活用するまでのプロセスを指しています。

しかし、これはシステム・トレード全般にあてはまる、当たり前のこととも言えます。過去データを使ってバックテストして、新しいトレード・ルールのアイデアを生み出すという方法は、すべてのシストレに共通することです。

ナシーム・タレブ氏の洞察で重要なのは、投資アイデアを得るのには過去データを使用するが、リスクやエクスポージャーを管理するのには過去データを使わない、という点です。

過去データからはじき出した最大損失率を信用するのは危険です。将来の最大損失率が過去データによるシミュレーション結果を軽々と超えてしまうことはありえるからです。過去の津波の記録を大きく上回るような巨大な津波が将来発生することは、大いにあり得るのです。過去のデータから「津波の最高記録は○メートル」と結論し、それに基づきリスク管理するのは非常に危険な行為です。

そこで、自分が作ったトレード法は間違っているかもしれない、という疑念をあらかじめ持っておき、間違っていた場合の対処法をトレードルールに組み込んでおくことが重要となります。

「自分が間違っていた場合に払うことになる代償は、間違いなく限定されているようにする。(中略)間違っていたことがわかったら取引を手仕舞うのだ。そういうやり方をストップロスという」これに該当するのが、レラティブ・ストレングス投資に組み込まれている、12ヶ月移動平均を下回った資産にsellシグナルが点灯し、売却するという仕組みです。

12ヶ月移動平均を下回った資産を売却するという損切りルールを組み込むことで、万が一レラティブ・ストレングス投資が間違いであった場合の損失を押さえるのです。

レラティブ・ストレングス投資は、12ヶ月移動平均を下回った資産を売却するというルールを組み込むことによって、数年に1度起きる可能性のあるブラック・スワンにも対処できるのです。


まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか


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この記事へのコメント
市原様
今月二度目の更新ありがとうございます。
「攻めるときに攻め、退くときには退く」がむずかしいんですよね。
数年に一度のビッグウエーブ!! の前の引き潮に恐れをなして逃げ出し、
ジェットコースターの頂上近くでまだまだ上るとアクセルを踏み込みがちで・・・
願わくは次のトレード発生がブラックスワンではなく、朗報でありますように。

Posted by utt at 2016年05月26日 22:22
uttさん、

「攻めるときに攻め、退くときには退く」は本当に難しいですね。
自分の判断ではなかなかできないので、RS投資にやってもらている感じです。

リーマンショック級のブラックスワンが発生するリスク要因は、今のところ見当たらないように思いますが、そんな時に起きるからこそブラックスワンなわけで。。。

わたしも朗報シグナルを祈ってます。
Posted by 市原 at 2016年05月28日 11:08
市原様
お返事いただきありがとうございます。

現在は無数の可能性の中から偶然選ばれた一つであり、
未来へも無数の可能性が統計的に広がっているのでしょう。
水晶玉も持たずニュータイプでもない私たち大多数の人は、
無数の可能性を有する未来に相対するに、あるかないかわからない特殊解などを探さずに、
統計に従い確率に賭けるのが最善だと思っています。
従ってバフェット氏の言うとおり
「大多数の人は低コストのインデックスファンドに投資すべき」は正しいと思います。

私はレラティブ・ストレングスも統計に従う一手法だと理解しています。
統計に従う手法であれば、下落は投資手法の「間違い」ではなく、
統計的に示される無数の可能性の一つの現れだと考えます。

インデックス投資家の方の「常にバイ&ホールドでOK。下落も確率的に織り込み済み」
で確率的にはOKなんでしょうけれど、下落する線に乗った時にも確率に従ってフレキシブルに
別の並行世界ならぬ投資対象に乗り換えられるまた、一時的にリセットして、リスタートする
タイミングと対象を確率に従ってある程度導くことはできないのか? 
という手法を検討して、市原様のレラティブ・ストレングス投資に行き着いた次第です。

…慣れない頭を少し使って書いてみたのですが、前の投稿とあまり違うことを言っていませんね(滝汗)
次回の判定日が目前に迫ってきました。次回もよろしくお願いします。m(__)m




Posted by utt at 2016年05月30日 00:51
uttさん、

コメントありがとうございます。

確率的な平行世界の概念は「まぐれ」や「ブラックスワン」の重要なテーマですね。

私の場合、バイ&ホールドではリスクを下げるには安全資産の比率を増やすしかない、しかし安全資産を増やすと確実に期待リターンが減少する、という点に不満を感じ、RS投資にたどり着きました。

今は、株やリートの高リスク資産のみでB&Hをやりつつ、RS投資でリスク調整と期待リターン向上を図っています。

今度ともよろしくお願いします。
Posted by 市原 at 2016年06月01日 22:51
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