2014年08月20日

必読!レラティブストレングス最新バージョンのココがスゴイ!!


最近、新規で拙ブログにご訪問いただき、レラティブストレングス投資(以下、RS投資)に関心を持って頂く人が増えて来たようです。

レラティブストレングス投資を拙ブログで初めて紹介して以来、投資対象資産を変更したり、上位3資産から2資産へ変更したりと、変更を加えて来ました。

最近初めて拙ブログをご覧いただいた方々にとっては、過去記事を初めから通読しないと最新バージョンのRS投資を理解できないという、いささか不親切な状況となっています。

そこで今回は、現時点での最新バージョンのRS投資の方法を改めて説明し、その効果を紹介したいと思います。


現時点での「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」とは、次のような投資法です。

1.投資候補対象は、日本株、先進国株、新興国株、日本債券、先進国債券、新興国債券、JREIT、GREITの8資産。

2.月末に、上記資産クラスの、「3ヶ月リターン、6ヶ月リターン、12ヶ月リターンの平均値」(以下、3-6-12ヶ月リターン)を計算する。

3.3-6-12ヶ月リターンが高い上位2資産を抽出する。

4.この2資産の中で、市場価格が12ヶ月移動平均を上回っている資産を抽出し、均等配分で保有するポートフォリオを構築する。

5.以上を毎月繰り返す。

これが現在の最新RS投資の投資方法です。

さて、ここからは最新RS投資のバックテスト結果を紹介します。

まずは累積リターンです。

performances.jpg

断トツで上昇しているうす紫色の線がRS投資です。1994年末からのおよそ20年で22倍になっています。

なお、グラフ中の「分散B&H投資」は、8資産に均等に分散投資するポートフォリオをバイ&ホールドした投資を意味しています。当然ながら8資産の平均の様なパフォーマンスとなっています。

次に、リスクリターンマップです。縦軸が年率リターン、横軸が年率リスクです。

risk return map.jpg

RS投資のリスクは債券と株の中間。リターンはどの資産よりもずば抜けて高い、という結果です。

最後に、年間リターンの推移です。分散B&H投資と比べています。

annual returns.jpg

R&S投資が分散B&H投資よりも圧倒的に優位であることが分かります。

ほとんどの年でR&S投資の方が高いリターンを獲得しています。しかも、2008年リーマンショックの際に分散B&H投資が約40%下落しているのに対し、RS投資は約10%のマイナスに抑えています。

RS投資の凄さをご理解いただけましたら幸いです。

※過去記事「必見!レラティブ・ストレングスの驚くべき検証結果」も併せてお読みいただくと理解が増すかと思います。
この記事へのコメント
リクエストにお答え頂き、手法解説記事をリニューアル頂きまして誠に有り難う御座いました!大変参考になります。ポートフォリオの状態としては、常に2つのアセットへ均等に投資し続けた状態を維持して行く、と言う事なのですね。

因みにアセットによっては算出基準日が違う(日本株インデックスは当日の終値がその日の基準価額に反映されるが、新興国株式の基準価額算出は数日前の株価を元に算出されている)ので、同日のインデックスファンド基準価額で一斉にリターン率を計算するとタイムラグを吸収出来ませんが、まあ誤差の範囲、と捉えるべきですね。

またインデックスファンドなどで運用する場合、月末の数値を元に算出して、翌月1日に(必要に応じて)現ファンドの売却指示を出し、そのまた翌日に(売却より得た資金で)乗り換えるべきファンドを買い付ける、と、こちらのタイムラグも不可避かも知れません(別にたっぷりと現金を持っていればまた別ですが)。何れにせよ誤差の範囲、と言う感じでしょうかね。

この手法の肝は、「如何に相関係数が散らばったアセットを選択肢として揃えられるか」だと思いますが、手法的に、今後都度現れるユニークなアセットもフレキシブルに取り入れられそうですね。

日本株、日本債券、日本リート
先進国株、先進国債券、先進国リート
新興国株、新興国債券、新興国リート
ゴールド、シルバー、プラチナ

現状、上記12種であればインデックスファンドまたはETFベースで実現出来そうです。

もうちょっと時が経てば「フロンティア株、フロンティア債券、フロンティアリート」なども選択肢に登って来るかも知れませんね。

因みに「12ヶ月移動平均」での選別は行わず、単純に直近リターンが高い上位2アセットへの投資へ条件を切り換えるかも知れない、とのコメントを拝読した記憶が有りますが、現在は様子見・模索中、と言った所でしょうか。

またアセット乗り換え判断の拠り所となる「3-6-12ヶ月リターン」につきまして、

http://etftrendfollow.seesaa.net/article/152239442.html

上記記事にてベストと導き出した根拠をご提示されていますが、

http://etftrendfollow.up.n.seesaa.net/etftrendfollow/image/RS_simulation_allMs-3b7f5.jpg?d=a0

上記グラフを確認するに、実は開始から17年目位まで、「1ヶ月リターンRS」のパフォーマンスが良い様に受け取れます。

その後、「1ヶ月リターンRS」はいきなり(最後の数年だけ)ガクンと崩れますが、時期的にリーマン・ショックによる何らかのインパクトがあった様に感じます(「3-6-12ヶ月の平均」と言う算出方法は、元々著名な伸び率判断手法なのでしょうか?)。

上記の原因・リカバリ策を突き止めれば、単に前月比で一番伸び率の高いアセットを抽出する、(前述の「12ヶ月移動平均」は使わない件も併せ)よりシンプルな作業でハイスコアを目指す手法へと昇華出来るかも知れない、などと考えてしまいました(論文が一本書けるクオリティだと思います!)。

浅はか且つ、冗長なコメントの数々にてご容赦下さい、ご見解を承る事が出来ましたら幸いです。

※因みに記事中の「どの期間を使っても、バイ&ホールドよりも有効」とのご見解につきましては、開始後5〜6年目位迄は当てはまらない様にも思えますが、近似値でグラフが集中しているので、そう見えるだけかも知れません?
Posted by rsr at 2014年08月21日 11:41
rsrさん、

コメントありがとうございます。

インデックスとファンドでの参照資産価格のタイムラグ、および売却・購入のタイムラグは誤差の範囲内と判断しています。月次トレードですし、同じ資産に数カ月バイシグナルが点灯した時に大きな効果を発揮する投資法なので。

12か月移動平均での選別は、リーマンショックのような事態を回避するための保険として残しています。現在FRB、ECB、BOJの主要3大中央銀行が金融緩和政策を続ける中、リーマンショックを上回るバブル崩壊シナリオも考えられますので。

1カ月リターンRSは、ご指摘の通りパフォーマンスの安定感に欠ける事、および、上位資産が目まぐるしく変わることによるトレードコストがかかりそうなので、拙ブログでの毎月のシグナル紹介はパスしています。ただし、運用資産の一部で試みる価値のある投資法だと思います。


移動平均投資やレラティブストレングス投資については、アカデミックな論文ではありませんが、下記記事で紹介のとおり、Mebane Faber氏という、ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーがリサーチペーパーにまとめておられます。
http://etftrendfollow.seesaa.net/article/355099739.html

>※因みに記事中の「どの期間を使っても、バイ&ホールドよりも有効」とのご見解につきましては、開始後5〜6年目位迄は当てはまらない様にも思えますが、

記事中最後の棒グラフをご覧ください。青い棒でしめるRS投資が多くの期間で優位です。ご確認ください。

以上ご参考になりましたら幸いです。
Posted by 市原 at 2014年08月21日 22:53
ご返信有り難う御座います!

実際に投資する際の諸々タイムラグは誤差との認識、同意です。

>12か月移動平均での選別は、リーマンショックのような事態を回避するための保険として残しています。

確かに、そう言った趣旨のコメントを拝読した記憶が有りました、失礼しました。つまり「下降トレンドのアセットを掴まないようにする工夫」と言う趣旨ですね。

指標として「3-6-12ヶ月リターン」を使用するのであれば、左記が好成績である事で十分「上昇トレンド」だと認識できるものとも感じるのですが・・・大きな勘違いでしょうか?

そもそもの所で、「3-6-12ヶ月リターン」とは、何を表すことになる計算式なのでしょうか?短中長期の3平均の、更に均等割でアベレージを出す・・・前回のコメント時もご質問してしまいましたが、初めて見た計算式だったもので、何か出典元であったり、その指標価値についての論拠が御座いましたら是非お教え頂きたく存じます。

>1カ月リターンRSは、ご指摘の通りパフォーマンスの安定感に欠ける事、および、上位資産が目まぐるしく変わることによるトレードコストがかかりそうなので、拙ブログでの毎月のシグナル紹介はパスしています。

上記「3-6-12ヶ月リターン」の疑問から、上記についてお問い合わせをさせて頂いたのですが、なるほど、やはり1ヶ月観測では売買回数が大幅に増えそうなのですね。それが「直近でより勢いが出そうなアセットに素早く切り替える機会」だからこそ、リーマンショック時期以外は「3-6-12ヶ月リターン」を凌ぐ勢いの成績が出せたのでは、と推測しました。

リーマンショックの様な、つまり暴落パターンでは「1ヶ月リターン」は機能しないのですかね・・・?脈絡無く、直近で大きく崩れる様なパターンこそ、(過去一年間の推移にとらわれず、直近1ヶ月の変動のみを観測する)「1ヶ月リターン」観測が機能するものと理解していたのですが・・・と、この辺りの事情を私なりに突き止めてみようと思っていますが、既に長期に渡るバックテストを行っていらっしゃる中で、何らか知見・気付きをお持ちでしたら是非ご教示頂けましたら望外の幸せです。

>移動平均投資やレラティブストレングス投資については、アカデミックな論文ではありませんが、下記記事で紹介のとおり、Mebane Faber氏という、ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーがリサーチペーパーにまとめておられます。

有り難う御座います、リスク・リターン見合いで(例えば前述の「移動平均は使わず、1ヶ月リターン判断」などなど)シンプルに作業を削ぎ落とす過程について、更に立派な論文が一本出来上がるのではないか、との趣旨でした。

>>※因みに記事中の「どの期間を使っても、バイ&ホールドよりも有効」とのご見解につきましては、開始後5〜6年目位迄は当てはまらない様にも思えますが、
>記事中最後の棒グラフをご覧ください。青い棒でしめるRS投資が多くの期間で優位です。ご確認ください。

http://etftrendfollow.up.n.seesaa.net/etftrendfollow/image/annual20returns.jpg?d=a1

なるほど、確かに2009,2010,2012年を除いては優位ですね。しかし1995年からの図示化となっている様で、

http://etftrendfollow.up.n.seesaa.net/etftrendfollow/image/RS_12MA_BH_simulation_9assets.JPG?d=a1

上記では1990年開始で最初の5年、丁度1990〜1995年がバイ&ホールド・12ヶ月移動平均投資に対して成績が下回っている(と言うか原価割れの時期ですね)様に見えます。

前提として非常に有効な手法であるようだ、と私も大変期待しておりますが、だからこそ必要以上の手放しな賛辞・喧伝や、(そんな意図は無いと信じておりますが)不都合な時期の計測を省いてのグラフ化などは、巡り巡って最終的にはRS投資の評価を落とす事になってしまうのでは、と危惧しております。

私もリクエストばかりではなく今後、様々に検証してみたいとも思っておりますが、どうぞこれからも元祖として客観的な、第三者視点での冷静なデータをご提示頂けますと、大変嬉しく存じます。

またまた取り留めのない、そして後半など一部ご気分を害してしまいましたら大変申し訳御座いませんが、謹んでご返信申し上げます。乱文ご容赦下さい。応援しております!
Posted by rsr at 2014年08月22日 17:24
貴重なバックテストの結果を御教授頂き有難う御座います。

私も2013年4月より貴ブログを参考にRS投資手法を試しているのですが、
実感として安定感に優れている所と各アセット間の資金の動きが、
大まかに捉えられる点で重宝しています。

個人的には月次で既存資金の複利比率になる資金投入を実践しております。

トレンドフォロー型の投資手法になると思いますので、
既存資金に対して、多く追加投入してしまいますと、
どうしてもRS投資のリターンが低下してしまうと考えています。

バックテストのリターンをなるべく低下させないように
既存資金に対する追加投入資金の比率を意識して取り組んで行こうと思います。

今後とも応援しております。

失礼しました。


Posted by saki at 2014年08月30日 10:56
sakiさん、

コメントありがとうございます。
RSシグナルを毎月見ていると、相場動向が良く分かりますね。

資金投入手法の工夫参考になりました。


rsrさん、

以前に1990年開始の検証をした時のデータを喪失してしまい、今回新たに入手したデータが1995年開始だったのです。意図的なものでないことをご理解頂ければと思います。

多忙でして、そのほか頂いたご質問にここでお答えいたしかねますが、今後の参考にさせていただきます。

皆さまこれからもよろしくお願いします。


Posted by 市原 at 2014年08月31日 09:32
>多忙でして、そのほか頂いたご質問にここでお答えいたしかねますが、今後の参考にさせていただきます。

この理由で、ここで匙を投げられるのは、うーん、とても残念です。まあ、個人の自由なブログですからしょうがないですね。

しかし「3-6-12ヶ月リターン」、一体これは何なんだろう・・・?

(一応ですが)返信ありがとうございました。
Posted by rsr at 2014年09月01日 11:43
匙投げるって...失礼すぎ
Posted by qp at 2014年09月02日 08:01
初めまして。
レラティブ・ストレングス投資、大変興味を持ちました。
弊ブログで紹介・リンクさせていただいてもよろしいでしょうか?

また、貴ブログの移動平均投資を応用して、自分なりにシステムトレードを研究してみたいと思っております。
そういった記事を書いてもよろしいでしょうか?

今後とも参考にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
Posted by シッピー at 2015年04月03日 22:19
許可をいただけてない状態で恐縮ですが・・・。
勝手ながら、弊ブログよりリンクさせていただきました。
貴ブログを紹介した記事も、近々書こうと思っております。
もし問題がありましたらご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
Posted by シッピー at 2015年04月13日 22:35
私も似たような投資判断で売買を行っていたのですが、貴ブログの様に理論立てた投資手法では無かったので大変参考になりました。
ところで売買する商品の分配金や信託報酬については、いかがお考えでしょうか?
3-6-12ヶ月リターンでは基準価格の変動でのみ運用収益を判断しており、トータルリターンを考えるなら各資産クラスの分配金や信託報酬を係数としてBuy,Sell判断に加えた方がより実利益に近付くのではないでしょうか?
それとも「移動平均投資にベストな金融商品はこれだ!」で紹介されたインデックスファンドやETFなら手数料が安いので長期保有リスクが低く、投資判断をシンプルにする為に考えないようにしているのでしょうか?
ご多忙とは思いますが考えをお聞かせ頂ければ幸いです。
Posted by わこう at 2015年07月09日 23:59
シッピー様、

コメントいただいていたことに気づかず大変失礼いたしました!
拙ブログを応用されてのシステムトレード研究記事や、拙ブログの紹介、大歓迎です。

今後ともよろしくお願いいたします。

今後は過去記事のコメントもチェックするようにいたします。
重ねてお詫び申し上げます。
Posted by 市原 at 2015年07月10日 21:53
わこう様、

鋭いご指摘ありがとうございます。
拙ブログで紹介しているトレード方法を研究する際は、投資信託の基準価額データでなく、指数データを使って検証しました。

今は、SMTAMのインデックスファンドでシグナルを集計した結果を月次で公開していますが、同時に指数データも使って同じ集計をしています。結果はおおむね同じです。


インデックスファンドは原則として分配金を出さず、信託報酬も低いので、基準価額を使ってシグナルを計算しても、大きな問題はないと考えています。

ファンドと指数でシグナルに大きなかい離が出た場合は、拙ブログで紹介したいと思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by 市原 at 2015年07月10日 21:57
米国ETFをレラティブ・ストレングス投資法で運用する場合
3-6-12ヶ月リターンを簡単に確認できるお勧めのサイトはご存知でしょうか?
Posted by なつき at 2015年08月16日 08:07
なつきさん、

申し訳ありませんが、そのようなサイトは存じ上げません。
もし発見されましたら、ぜひご教示くださいませ。



Posted by 市原 at 2015年08月19日 22:59
興味深く拝見しました。ありがとうございます。
私もRS投資をやってみようと思っていますが、銘柄入れ替えのための売買手数料や、税金は考えても、分散投資よりリターンが高いのでしょうか?
Posted by ひで at 2015年11月24日 00:00
ひでさん、

はい。
過去データによるシミュレーションでは、RS投資はB&Hを大きく上回り、手数料や税金を考えてもリターンは高くなりました。
しかし、過去データによるシミュレーションは、将来の投資成果をほしょうするわけではありません。
投資判断は自己責任でよろしくお願い致します。

Posted by 市原 at 2015年11月28日 08:33
市原さん、ご回答ありがとうございます。
Posted by ひで at 2015年11月30日 00:36
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