この記事では、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」の驚くべき検証結果を紹介します。
このブログを立ち上げた当初は、「12ヶ月移動平均投資」だけを紹介し、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」は公開しないでおこう、と考えていました。
その理由は、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」を公開し、多くの人がこの投資法を実践した場合、この投資法の有効性が失われる、と考えていたからです。
しかし、その考えを改めることにしました。
考えを変えた一つ目の理由は、定量的検証の結果、多少の人がこの投資法に追随したとしても、有効性は失われないという結論を得たからです。
そして二つ目の理由は、リチャード・デニスの次の言葉を思い出したからです。
トレードのルールを新聞に公表したとしても、誰もその通りにやらないだろう。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」を公開したとしても、ほとんどの人はその通りにはやらないでしょう。なぜなら、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」は、長期投資家にとっては投機行為のように見え、デイトレーダーにとっては退屈だからです。
この記事を読んだごく一部の人だけしか実践しないのであれば、この投資法の有効性は失われず、忠実に実践するごく一部の人に富をもたらすことでしょう。
前置きが長くなりました。それでは「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」を紹介します。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」とは
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」とは、次のような投資法です。
1.月末に、複数の資産クラスの、「3ヶ月リターン、6ヶ月リターン、12ヶ月リターンの平均値」(以下、3-6-12ヶ月リターン)を計算する。
2.3-6-12ヶ月リターンが高い上位3資産を抽出する。
3.この3資産の中で、市場価格が12ヶ月移動平均を上回っている資産を抽出し、均等配分に投資する。
4.以上を毎月繰り返す。
要するに、直近のリターンが相対的に高い、つまり価格の勢いが相対的(=レラティブ)に強い(ストロング)銘柄に投資する手法です。
今回は、日本株式、先進国株式、新興国株式、日本債券、先進国債券、新興国債券、日本REIT、外国REIT、コモディティ、9つの資産を対象に検証しました。
早速検証結果を見てください。
下のチャートのピンク線が「3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」の投資実績です。上で説明した通り、
青線が9資産に均等配分した「12ヶ月移動平均投資」(この投資法についての解説記事は、「移動平均投資の解説・目次」を参照してください)です。
そして、黒い細線が9資産に均等配分したバイ&ホールドです。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」が、他の2つよりも圧倒的な実績を出している事が明らかです。
実績を数値で見てみましょう。
12ヶ月移動平均+ レラティブ・ストレングス投資 | 12ヶ月移動平均投資 | バイ&ホールド | |
---|---|---|---|
累積リターン | 853.4% | 185.7% | 145.0% |
年率リターン | 12.15% | 5.48% | 4.66% |
年率標準偏差 | 13.87% | 6.51% | |
シャープレシオ | 87.61% | 84.26% | 36.42% |
最大ドローダウン | -24.06% | -9.99% | -48.42% |
他の2つの投資法が累積リターン100%台なのに対し、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」は850%ものリターンを獲得しています。
年率換算すると、移動平均投資が5.48%、バイ&ホールドが4.66%となっている一方、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」は2倍以上の12.15%を出しています。
リターンのブレである年率標準偏差は移動平均投資が優勢で、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」とバイ&ホールドはほぼ同様となっています。
シャープレシオはバイ&ホールドが30%台なのに対し、移動平均投資と「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」では80%台となっています。これは、「バイ&ホールド投資は、リスクを考慮するとパフォーマンス効率が圧倒的に劣る」ということを示しています。
最後に、最大ドローダウンです。最大ドローダウンとは、「投資期間中にピークから最大何%下落したか」を表す指標です。バイ&ホールドの最大ドローダウンが-48%となっています。これは「バイ&ホールドはピーク時から資産が約半分になったことがある」ということを意味しています。
最大ドローダウンが最も小さいのは移動平均投資で-9.99%です。最大でも資産が1割しか減少しないということです。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」では-24.06%となっています。最大で資産が24%程度減る局面があったということです。バイ&ホールドと比較すると、最大ドローダウンが半分に抑えられています。
以上の検証結果から分かることは、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」は他の2つの投資法よりも圧倒的にリターンが高く、バイ&ホールドよりもリスクの低い投資法である、ということです。
(2013年4月19日追記)現在私が実践しているレラティブ・ストレングス投資では、上記対象資産からコモディティをはずし、為替ヘッジ付き新興国債券を入れました。詳しくは、「レラティブ・ストレングス投資の進化系」をご覧ください。
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>ELLシグナルがでた資産を売って、それらの『全額』+月々の積立金額をBUYシグナルが点灯し、かつ3-6-12ヶ月リターンが高い上位3資産に均等に投資していくと理解したのですが、どうでしょう?
全くその通りです。CUBさんの理解で完全に正しいです。
ご質問がありましたらご気軽にお問い合わせください。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」について質問させてください。
100万円を元でに、加えて月の積立金によりこの投資方法をはじめようとした場合、最初から上位3資産に投資していくという理解でしょうか。移動平均投資のポートフォリオを組み投資を行うというイメージが残っていて、CUBさんのコメントもあるのですが、質問してしまいました。
コメントありがとうございます。
>100万円を元でに、加えて月の積立金によりこの投資方法をはじめようとした場合、最初から上位3資産に投資していくという理解でしょうか。
その通りです。初めから上位3資産に均等投資します。
そして、翌月以降も常に上位3資産に均等配分するポートフォリオを維持していきます。
今後もご不明な点がございましたらお気軽にご質問ください。
数日前にこちらのブログを拝見し、「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」に興味を持ちました。
今月末から少額ですが、この投資法を実践してみる予定です。
そして、その記録を自分のブログの記事にしたいと思っています。
つきましては、貴ブログと「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」もあわせて紹介したいと思っているのですが、よろしいでしょうか?
始めるに当たって、注意する点などがあれば、教えてください。
よろしくお願いします。
「12ヶ月移動平均+3-6-12ヶ月レラティブ・ストレングス投資」にご関心を持って頂きありがとうございます。
拙ブログをご紹介いただけるのは大変光栄です。是非よろしくお願いします。こちらからも、ページ右上に貴ブログへリンクさせていただきました。
これからよろしくお願いします。
>montraさん
レラティブストレングス投資にご賛同いただきありがとうございます。
注意点としては、
1.シグナルに忠実にトレードする。
2.資産の一部分で実践する(全資産を一つの戦略に投資しない)
の2点です。
シグナルに従う投資は、慣れるまで心理的抵抗がありますので、少なめの金額から始めることをおすすめします。
これからよろしくおねがいします。
こちらもリンクさせていただきました。
よい結果がでいるよう、ルール厳守で、のんびりやっていこうと思います。
では、これからよろしくお願いします。
リンク頂きありがとうございます。
これからよろしくお願いします!
私も巷で推奨している分散投資-Boy&HOLDは神頼み的な投資方法だと思っていました。(内藤忍氏等)
リスク分散とは聞こえがいいですが、昨今のグローバル投資の加速を踏まえると、よりハイリスクになったと感じています。
ちなみに私自身は、
有名投資家(バフェット、ジム)やSHARESで優良企業(国内大型株)を選別し、ケンミレやMACD&ストキャト等でトレンドを把握してSWING投資をしています。
あとは円高時に海外買い、暴落時の逆張りなど。
ただケンミレのスタイルが理解しづらくなってきたことと、貧乏リーマンにしては資金が大きくなってきたこともあり投資方法について自問自答していました。
要はトレンド把握をどうするかだけだと思うのですが、この方法はシンプルで合理的だと思います。
コメントありがとうございます。
実体経済の成熟化とマネー経済の膨張で、B&Hのリスクは今後ますます上昇していくでしょうね。
ファンダメンタルズ投資とテクニカルを組み合わせて運用されてますね。かなりの上級者とお見受けいたします。
お互い頑張りましょう!
偶然このぺージにたどり着きました
私はリーマンショックで大台の
1000万円を損してしまいました
ただその後いろいろと考えている内に
移動平均がいいのでは?と思うようになり
65週の移動平均線と株価の兼ね合いで
投資をするようにしていました。
なんかものすごく考えが似てたので
正直びっくりしてしまいましたが
RS投資は更に上にいくすばらしい投資
方法だと思います。
1つ質問なんですが
毎月末にbuy sellと順位をつけて
上位3資産(buyの場合)に均等投資を
行うということですが、
この場合前月の3資産と今月末の3資産が
まったく違う場合はすべて買いなおしという
認識でよかったのでしょうか?
もし2資産が前月と同じ場合はその2資産は
そのままで変動した1資産だけを買いなおす
ということでよろしかったんでしょうか?
申し訳ございませんがご指導ください
過去のブログを読んだら理解できましたので
回答はけっこうです。
お手数おかけしました
コメントいただきありがとうございます。
またご質問がございましたら、ご気軽にお知らせください。
こちらのブログを拝見させていただき、「レラティブ・ストレングス投資」を実践させていただきたいと思っております。
その運用の状況を自分のブログにて紹介していきたいと考えているのですが、よろしいでしょうか。
今まで行なっていた新興国投資信託の毎月購入との比較で行ないたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
レラティブストレングス投資にご関心を持っていただきありがつございます。
ぜひ貴ブログでご紹介ください。おねがいします。
また運用の途中で不明な点がありましたらご質問させていただくこともあるかとございますが、よろしくお願いいたします。
トラックバックありがとうございます。
拙ブログ右上のリンク集に、貴ブログを掲載させていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
ブログの掲載ありがとうございました。
私のブログからもリンクを掲載させていただきました。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
こちらのブログをお見かけして、私もレラティブ〜をやってみようと思っています。
レラティブ〜のことや、私自身の運用記録を自分のブログで公開していきたいと
考えておりますが、よろしいでしょうか?
あと、シグナルについて質問がございます。
BUYシグナルと平均リターン、購入優先順位はBUYシグナル>平均リターンとして
解釈して差し支えないでしょうか。
過去の記事を何度も見てみたのですが、私には判断つきませんでした・・・・
(すでに書かれていた事だったら申し訳ありません)
また、上位3資産を選ぶとのことですが、今後BUYシグナルが1〜2個しか付かない
月が出てきた場合は、
BUYシグナルが出た資産のみに資金を振り分けて運用する・・・ということでしょうか?
ド素人な質問でお恥ずかしい限りです。
お聞かせ願えれば・・・と思います。
よろしくお願いいたします。
過去記事(2011/8/4)にシグナルの解釈方法が書かれていました。
そちらを見て疑問が解決しましたので、質問についての回答は不要です。
お手数おかけしました・・・・
同記事に別コメントさせて頂いたので、
そちらもご覧いただければと思います。