2010年05月18日

行動ファイナンスによる裏付け


これまでの記事で、12ヶ月移動平均投資法は、全ての資産について、バイ・アンド・ホールドよりもリスク・リターン特性で優れているという、驚くべき検証結果を紹介しました。

なぜこのよう一貫して有効な結果が出たのでしょうか。ただの偶然なのでしょうか。それともなにか必然的な理由があるのでしょうか。この投資法は過去だけでなく、これからも将来にわたって有効でありつづけるのでしょうか。

12ヶ月移動平均投資法が有効性について考えてみましょう。

移動平均投資法が過去において有効であったのは、株価の動きに「トレンド」が存在したからです。「株価が上昇するときには、一定期間上昇し続け、下落するときには一定期間下落し続ける」というトレンドが過去の株価推移の中に存在していたからこそ、「移動平均投資法」というトレンドフォロー戦略が有効に機能したのです。

これからも12ヶ月移動平均投資法が有効に機能するためには、「これからも株価推移にトレンドが存在する」ことが必要条件となります。これからも株式相場にトレンドが存在し続けるのでしょうか。この命題に対する私の答えは「イエス」です。私は、「これからも株式相場にはトレンドが存在し続ける」と断言できます。

なぜ、相場にトレンドが存在し続けるのか。人間が不完全な存在だからです。

もし、人間が冷静に現在の株価を計算する能力があれば、株価が短期間に上や下に動くことはあり得ません。企業の将来の収益力に対する予想が変わる都度、微妙に現在の株価が調整されるだけのはずです。トレンドが発生する余地はありません。

しかし、実際には株価は大きく変動します。株価が一旦上昇し出すと長い期間上昇し続け、説明がつかないくらい高い水準までに達することがあるかと思えば、一旦株価が下落しだすとずっと下落し続け、説明がつかないくらい低い水準まで株価が暴落することがあります。

このような不合理な株価の動きには、人間の心理が大きく影響しています。例えば、株価が下落トレンドから上昇トレンドへ転換する時に見られる投資家の行動には、一定のパターンがあります。

株価が下落トレンドにある時、最初は、株価の割安度を重視する投資家(バリュー投資家)が、「企業の実態に対して株価が安すぎる」と判断して株に投資します。

次に、バリュー投資家の買いによって株価の下落スピードが弱くなったのを見た逆張り投資家が、「株価は底を打つ」と判断して購入します。

その次は、株価が上昇に転じたのを確認したトレンドフォロー投資家が購入します。

この後は素人投資家が参入し、株価が上がるから買う、買うから上がる、という状態になります。最後の段階に入ると株価が上昇していることがテレビや一般週刊誌で報じられ、普段は投資に興味がない人ですら競い合うようにして株を買いに殺到します。そして株価は天文学的な水準まで上昇します。


このような相場の急騰の後に続くのは、相場の暴落です。

相場が上昇から下落に転じる際には、まずバリュー投資家が「株価は企業の実態に対して高すぎる」と判断して売却します。

そして株価の上昇スピードは落ちてきます。すると逆張り投資家が利益確定のために株を売却します。

株価が上昇から下落に転じると、トレンドフォロー投資家が「上昇トレンドから下落トレンドに転換した」と判断して株を売却します。

株価の下落に勢いがついてくると、相場の天井付近で買って損失を抱えた一般投資家が一人ずつ脱落して株を手放していきます。テレビや一般週刊誌でもバブルの崩壊が報じられるようになると、ますます株価下落の勢いが増していきます。そうして「いつかは株価はまた上がるだろう」と淡い期待を抱いて株を手放していなかった一般投資家がついに諦めて株を手放します。そして、そのあたりが相場の底を形成します。


このような相場の暴騰と暴落は過去に何度も繰り返されてきました。17世紀オランダのチューリップバブルは有名です。珍しい柄の花を咲かせるチューリップの球根が、年収の何倍もの値段で取引されたことがあります。1929年の大暴落がもっともショックの大きかった暴落です。記憶に新しいところでは、2000年のITバブル相場、2007年までのサブプライムローンバブル相場があります。

チューリップの球根や株式と、バブルの対象となった物は違いますが、本質は同じです。「根拠なき熱狂」によって資産が買い漁られ、ある日暴落する、これだけです。過去のバブルの発生と崩壊プロセスのいずれもこのパターンです。人間はこれからも変わらず、バブルの発生と崩壊を繰り返すことでしょう。

そして、バブルの発生と崩壊が繰り返される限り、バブルの上昇トレンドに乗り下落トレンドが始まったら相場から降りるという、移動平均投資法は有効であり続けるのです。

人気ブログランキング参加中。次回の更新を楽しみにしていただける方はぜひ応援クリックお願いします
↓↓↓
人気ブログランキングへ

目次へ戻りたい場合はこちらをクリック
 
 


posted by 市原 at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 移動平均投資法の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ
当ブログがお役に立ちましたら、ブログランキング応援クリックお願いします。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。