2010年05月10日

移動平均投資の検証:9資産ポートフォリオ

今までの記事では、日本株式、先進国株式、新興国株式、日本債券、先進国債券、新興国債券、日本REIT、外国REIT、コモディティ、9つの資産を対象に検証してきました。その結果、12ヶ月移動平均投資法は、リターンを向上させ、リスクを低下させることが分かりました。特に、株式、REIT、コモディティで、リスクリターン特性の改善効果が大きい、ということが分かりました。

それでは、この9資産に分散と投資するポートフォリオの場合での移動平均投資の効果を見てみましょう。次のような方法で検証しました。


移動平均投資ポートフォリオは以下の方法で構築しました。

・期間は外国REITの12ヶ月移動平均が算出可能となる1995年4月をスタート日とする

・日本株式、先進国株式、新興国株式、日本債券、先進国債券、新興国債券、外国REIT、コモディティへ均等配分で投資する

・日本REITの12ヶ月移動平均が算出可能となる2004年2月からは、上記8資産に日本REITを加えた9資産に均等配分で投資する

・月次リバランスを行う

・各資産は移動平均投資※によって売買する。ある資産に売りシグナルが出た場合は、その資産の代わりにキャッシュを保有する。


 ※移動平均投資の方法
  月末の価格が12ヶ月移動平均を上回ったら、買う。
  月末の価格が12ヶ月移動平均を下回ったら、売り、キャッシュで保有する


それでは、このポートフォリオの結果をみてみましょう。下のチャートは、実線が移動平均投資、点線がバイ&ホールドを表しています。

MA simulation portfolio.JPG

検証期間の前半は、バイ&ホールドも移動平均投資もほぼ同様のパフォーマンスとなっています。その後2004年以降から2007年のサブプライム・バブルのピークまでは、バイ&ホールドの優勢が続いています。

しかし、2008年にリーマン・ショックによってバブルが崩壊すると、バイ&ホールド・ポートフォリオは大きく下落しました。ピークからの下落幅は48%にもおよびます。一方、12ヶ月移動平均投資法ポートフォリオはリーマン・ショックによるバブル崩壊時もほぼ横ばいで推移することができています。

バイ&ホールドでは2008年のバブル崩壊によって大きな損失を被ってしまいまいましたが、移動平均投資では大きな損失を被ることがありませんでした。

具体的な運用成績を見てみましょう。リターンは、バイ&ホールドでは年率6.3%となりました。一方、移動平均投資では、年率8.1%となり、1.7%リターンが向上するという結果となりました。

リスクを見てみると、バイ&ホールドの標準偏差が13.5%となった一方、12ヶ月移動平均投資法は、7.3%となり、6.2%リスクが低下しました。

最大ドローダウンでは、バイ&ホールドでは-48.4%となった一方、12ヶ月移動平均投資法では-10.1%となり、最大ドローダウン幅をおよそ5分の1程度に減らすことができました。バイ&ホールドでは、9資産に分散投資しても資産が半分に減ってしまっています。一方、移動平均投資は1割の下落で済んでいます。これは、資産分散投資よりも、移動平均投資の方がリスク低減効果が高いということです。

年率8%のリターンを獲得しつつ、最大ドローダウンが-10%というのは驚異的な結果です。この結果は、投資期間を通して最大の下落幅(10%)は1年間の平均収益(8%)でほぼカバーできてしまう、ということを意味しています。

次回からは、1929年大暴落や、石油危機、ITバブルなどの、過去の相場暴落局面での移動平均投資の効果を検証します。

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posted by 市原 at 08:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 移動平均投資法の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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